集いを日々に重ねていく
畑が広がるのどかな風景の中に建つ平屋住宅である。
沖縄では、旧正月や旧盆のたびに親族が集まり、仏壇を囲んで過ごす時間が暮らしの中に根付いている。その集いの中心となる和室をリビング・ダイニングと一体的につなげることで、いつでも大勢が集い、時間を共有できる空間とした。仏壇のある和室を住まいの中心に据えることで、日々の暮らしとも重なり合う構成としている。
平面は、和室・リビング・ダイニングを南側へ大きく開き、その周囲に主寝室や水廻りを配置した。北側には成人した子世代のための3つの個室をまとめ、互いの気配を感じながらも、それぞれの生活リズムを尊重できる距離感を確保している。また、玄関を起点に公私を整理した回遊動線とすることで、来客時にも生活空間が交錯しない住まいとしている。
屋上は夕涼みの場として利用することを想定し、周囲から吹き込む強風への対策を兼ねてRC手すりで外周を囲った。さらに、太陽光発電パネルの設置を前提とした片流れ屋根を、その手すり上端を頂点として架けることで、住まいの中心となる和室・リビング・ダイニングを包み込んでいる。
木製リブが連続する勾配天井は、屋根の断面形状をそのまま室内に映し出し、空間に広がりと奥行きを与えている。大きく開いた南側の大開口と北側の高窓から自然光を取り込み、室内に風の流れを生み出している。
親族が集うこと。屋上で風を楽しむこと。太陽光発電を取り入れること。それぞれを個別に解決するのではなく、ひとつの断面に重ね合わせることで、風土に応答する日々が続いていく。

所  在:沖縄県中城村
用  途:個人住宅
建築面積:137.41㎡
延床面積:128.56㎡(38.9坪)
竣  工:2026年6月